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「中学生円山」レビュー。


映画「中学生円山」予告編 - YouTube
僕がこの映画で個人的に好きなのは仲村トオルのスーツに穴が開けられた時に輪切りに切り取られたとこでしたね。見た目、巨峰っぽいのに、電動ドリルで切り取られること自体がおかしいのだけど、百歩譲ってもそんなグレープフルーツみたいな感じの中身なのかってとこが一番面白かった。

まあ宮藤官九郎の映画なんで、脚本だけとかじゃなくて監督作品、音楽は向井秀徳というね。それで遠藤賢司とかもチョイ役とかじゃなくて結構ガッツリ出てるっていうね。

あのー小ネタの数々とか笑いの趣向が三木悟(イン・ザ・プール図鑑に載ってない虫インスタント沼、etc)とか石井克人茶の味、ナイスな森、etc)的なね、感じで、クドカンっていうと今まで幾つか観てきたけど結構ザックリとしたような勢いのある笑い、誰かしら叫んで全力疾走みたいなさ。大口な笑いを想像してたんですけど、今回のこれはちょこちょこしてて自分の好きな笑いのタイプでした。なんかニヤっとしちゃうような笑いが結構好きなもんでね。ま、今作も叫んでる人は沢山居るし走ってるし、物語のメインが自分の陰部を自分の口にインしたいっていうとこなんでね、ここらへんのくだらなさはクドカンらしいんじゃないかなって思いましたねぇ~

いやーしかしほんと中学生なら一回は誰でもするっていう試みらしいですが、ほんと誰でもなんですかね?それはどうだろうと思いますね。僕個人としてはどう頑張っても出来ないし、作中では草薙剛が「人格が二つに分裂した」とか言ってましたが、そんなに気持ちよくないっていうのを聞いて、なんかそこで僕は断念したんですよね。首背中腰、それらに対する負担が凄まじいし、出来ても気持よくないならGOGOHEAVEN出来なさそうだし、メリットが少ないっていう結論に至り、達成感のみでやるにはあまりにも負担が大きいということからね。普通にエレクトした方がいいじゃんっていう単純かつ明快な理由でやめましたね。
それでこの話を周りにしてみるんですけど、今まで100%の確率で笑われ、変態、狂人扱いされてきたんでね。だからねぇそんなに一般的ではないんじゃないのかなぁと思うんですけどね。みんな恥ずかしがっているだけで実はチャレンジャーなのかな。

ここまで読むと下ネタがキツいのかなってイメージ湧くかもしれないけど、主人公は快楽の為っていう目的じゃなさそうなんですよね。ただやってみたいっていう好奇心と達成感を味わいたいっていう健全な目的がメインだと思うんですね。不純さが感じられない、スポーツのような感じに観れたんで、下劣かつ低俗なエロスって人によるんでしょうけども、僕は薄く感じましたね。それよりも真面目にアホだなっていうのが印象に残る。
でも実際の中高生が妄想したりすることってもっと酷いと思うんだけど、この主人公はそもそもシュール寄りの感覚の持ち主だから、普通ならエロスへ向かう欲求が非現実を生み出す方に向かっていて、その完成度って漫画や映画やゲームとかの影響なのかなって思わせるぐらいに高いものではないんだけど、でもエンタメ性はあるもんで、暴力的ではあるけどファンタジーでもあって。
なんか昨今は凶悪な事件とか増えてるからさ、この主人公みたいな方向ならねぇまだいいのになぁと思いましたよねぇ~。

他にも認知症の老人を遠藤賢司が演じているんですけど、街角でアイドルバンドみたいなののステージに乱入して掻き乱して叫び上げるシーンとかねパンクだね、見ててスカッとするようなとことかヒロインの子のイノセントな部分とか坂井真紀と元韓流スターの情事がちょっと時事ネタ絡んでたりとかね、色々と面白い映画でしたね。

しかしほんと思うけど10代女子の純粋性、神格化ってのはなんでなんだろうね。実際はさ、そんな大げさなもんじゃないと思うんだよ。すごい透明感がある子って居るけどさ、ほんとは濁ってるっていうか内面の真ん中には透き通ったものがあるんだろうけど、その周りに渦巻く混沌ってのは凄まじいもんがある気がするんですよ。それを男子は低俗になることである程度解消できたりするんだけどさ。そこに透明感は無いんだよね。文学系少年は透明感というよりも物憂げで陰な部分が強調されて不透明な気がするし。
そう考えると透明感や神々しさってのは外見的要因がほとんどを孕んでいるのか?とか思っちゃうんだよね。男でそれは出せないのか、例えばいくら色白でも骨格的にゴツっとしてたらちょっと変わってくるもんなぁ。なんだろ、長い髪、色白、部分的な露出、細い丸みとかなのかな。んーなんかズルいよなぁ男には出せないもんかーなぁー。

まあ話がそれ過ぎたけど、意外とメッセージ性もあるこの映画。正しさに拘るあまり秩序を強引に正そうとしたり、先述の韓流スターの事情や、何かに熱くなることって格好悪いみたいな若者特有の風潮に対してみたいのも感じたし、コミュニケーションがこの映画では対話で行われてるってのもいいですね。SNSなんか出てこなかったな、ちゃんと訳わからん自分の内側ってもんを相手に言葉でぶつけてる。色々と熱くて現実離れしててる映画だったけど決してバカ映画っていう印象だけで終わらせるには勿体無い、そんな映画でした。

「考えない大人になるくらいなら、死ぬまで中学生で居るべきだ、そうだろ!」ほんとこのセリフ、クレーマーにすぐに屈する企業のお偉方に届いてほしい。