レビュー

「孤島の王」

映画『孤島の王』予告編


脱 走劇の映画なわけですが、そういう系統のって何本かは観たことあるんですけど数少ない知識で恐縮ですが、名作と言われている「カッコーの巣の上で」を彷彿 とさせるような雰囲気がありましたねぇ。個人的にカッコーの巣の上では良作だなぁとは思っても名作までは思えないんですけど、それは僕が結構な理屈型人間 なので、細かいとことかが気に入らなかっただけなんで、あの作品はそれでもいい映画だとは思うんですけどねぇ。
共通点として、鬱屈した閉鎖的な場所から反乱が起こって抜け出すっていう部分はあるけど、カッコーの巣の上ではモヤモヤはあるけど開放感があるし、あとそれまでの過程が凄く痛快だったり愉快だったりするシーンがあって。


それはこの映画にはあったかなぁ~あっても少ない。シリアスな部分が大きい映画だと思いますねぇ。
まぁカッコーの巣の上でとの比較になるのは良くないとは思うんですが、あっちは理不尽さからの反乱だったんですけど、こちらはねぇ~うーん、まぁ逆ギレかなっていう。笑
いやその理不尽さも無くはないんだけど、舞台が絶海の孤島にある監獄みたいな場所なんでねぇ。そこにぶち込まれた犯罪者の話なんでね。そんな場所である程度の理不尽さがまかり通ってるのって、そりゃ普通のことなんじゃないかなと。
人の尊厳とは何かね?!みたいなテーマがこちらでもカッコーの巣の上でもテーマとしてあると思うんだけど、そもそもこっちは何らかの罪があってだからねぇ。人の尊厳どうこう以前にお前らの罪に対しての認識は、それは人としてどうなんだ?って思いますよねぇ~。
だからこの映画は主人公たちが理不尽っていう。そこは筋が通ってないかなぁと。


と まぁ、悪い部分ばっかり言ってますがそれでも脱走劇みたいなのって僕は何か惹かれるものがありましてねぇ~昔違う場所でレビューを書いたんですけど黒沢清 監督の「トウキョウソナタ」なんかは大好きですねぇ~一回家族のほぼ全員がバラバラに思うがままに全力で現実から逃げてみるっていうね!あの映画は好きだ なぁDVD持ってますけどねぇ~うん。
まぁまぁ何らかの印象は残るだろうということで紹介しました。ちょっと紹介するの迷ったんですけども、そん な理屈どうでもいいんじゃい!っていう方にね。まぁ感動作品でもないと思うんだけどもね。うん、やっぱり紹介なのに悪い点と他の映画絶賛してる時点でこの レビューは失敗だったのかもしれない。うん。


るろうに剣心

映画『るろうに剣心』予告編映像


人 気漫画の実写化は難易度が高いと思うんですけど本作は見事でした。アクション漫画なのでやはりその漫画内での動きをどう再現するかってのは大事なところな わけで、その動きがあからさまにCGだと萎える人も居るんじゃないかと思いますが、この映画はそんな事を感じさせないくらいに動きが肉感的というかね。超 人的な動きをする場所は多々あるんですけど、主人公の緋村剣心の剣技って速さその一点に集約されてる剣技なんで、その速さをどう魅せることが出来るかが肝 で、それを見事に表現されているんじゃないかと。目で追うの大変でしたし追いきれなかった。
何よりも必殺技を叫びながら相手を倒すみたいなシーン が皆無と言っていいほどだったのが好きでした。一箇所あるけどそれも倒した後に一言ぽつりとっていう感じだったし。んー時代劇だし、今回の話ではそこまで 突飛な武器や様相の敵も出てこなかったので、そこに無理が無かったってのも大きいのかなと。志々雄真っていう全身包帯だらけで炎を扱う適役が居るんですけ ど、あれとか出すとしたらどうすんのかなってのは思いますがね。笑

個人的にこの映画で斎藤一は要らなかったんじゃとか言われてるのちょこちょこ聞くんですけど、いやいや居るでしょうと。

斎 藤一は江口洋介演じる、まぁー剣心のライバルの一人なわけですが、漫画内ではそんなに多くを語らない人間だったはずなんですが、まぁ今回はよく喋る。それ も剣心に問いかけ今一度、殺さずの誓を立てた剣心をギラギラした人斬りに戻そうとする一心からなわけですが、それは漫画では少ない言葉で長い間、続けられ てきたことだったはずなんだけど、今回のこの映画では寡黙な彼の長期間続けられてきた剣心との剣を交えながらの平行線な話し合い、それが二時間半の間に詰 め込まれていたように感じましたね。


ただ彼の役どころとして物語の説明役もあったから内容も頭に入ってきたし、ただ何も無理に彼の必殺技「牙突」を出さなくてもねぇとは思いましたがね。そこのシーンですよね観る人が大抵引っかかるのって。
ただ牙突は置いておいておくとしても、あのシーンで斎藤が出るのは必要で、その前に斎藤が出たのがまぁまぁ前なんですよ。時間がちょっと空いちゃってて。で、ラスト辺りに剣心に対して大事な話があるんでそこは外せないと考えると中間地点が欲しかったのかなぁと。
だいぶ空いてからパッと出てきてキメ顔で「おい抜刀斎(緋村剣心)」なんて言われても説得力に欠けると思うんでねぇ~僕、個人的には出所の一つとしては絶対的に必要だったんじゃないかと思われますがねぇ。まぁその付近で別の出方ってのもあったんでしょうけどもね。


違 和感は蒼井優が恵という女狐っぽい色気のある役を演じているんですが、そこはちょっと演技じゃなくて身長が足りなかったような気がしました。やっぱりス ラっとした長身がいいような。あとは青木崇高演じる相楽左之助。これも原作を大事にしてくれてるんですけど、左之助って最初でっかい鉄板みたいの持ってる んですよね。「それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった」みたいな、まぁこの台詞は ベルセルクという別の漫画の台詞なんですがね。頭をよぎったのは自分だけじゃないはず。
それを携えての剣心との大立ち回りがあるんだけど、やっぱり左之助は肉弾戦がいいですね。表現もしやすいだろうし。

それと敵が良かったですねぇ~香川照之、吉川晃司、須藤元気綾野剛などなど。全員素晴らしかった!吉川さんかっこよかったなー意外な配役だなぁとは思ってたけどハマってたなぁ。見事でしたねぇ。
まぁ 一番は主人公演じる佐藤健の動きのしなやかさと機敏さでしょうねぇ。口癖である「おろ?」も出てきますが、まぁ、これは、ね。うん。スパイス的な感じで ね。物凄く楽しめました!この映画観終えた後にちょっと寝ようと思ってたのにドキドキして眠れませんでした!アクションで興奮したのは久しぶりだった。是 非御覧ください。おすすめです。